環境にやさしい機能水を用いた洗浄技術
第2回「機能水の用途事例と効果」
野村マイクロ・サイエンス(株)
技術部NPグループ 柳 基典
半導体やフラットパネルディスプレイの洗浄分野で、機能水は利用されはじめていますが、ほとんどの機能水は、第1回「機能水とは?」の表1機能水の分類で示した気体添加型が多く、薬品添加型は、気体添加型の機能を向上させる目的で付加される場合が多い。したがって、気体添加型の機能水を中心に、用途事例と効果について、ご説明いたします。
気体添加型の機能水に利用されるガスは、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、オゾンガスなど汎用性があり、取扱量も非常に多いガスが用いられています。これらのガスを用いて作られる機能水は、それぞれ、水素水、酸素水、窒素水、炭酸水、オゾン水と呼ばれ、それぞれの持つ効果によって、さまざまな用途に利用されています。表2は、機能水の用途と効果について、分類したものです。
表2 機能水の用途と効果
機能水
(気体添加型) |
用途 |
基盤表面除去対象の効果等
(効果のある対象に○を記入) |
微
粒
子 |
有
機
物 |
金
属 |
帯
電
防
止 |
そ
の
他 |
| 水素水 |
常温で約1.5ppmの飽和濃度水素水に、メガソニックと、状況により約1ppmのアンモニアを添加すると、SC-1洗浄以上の微粒子除去性能が得られる報告がある。
また、還元作用を持つので、基盤表面や基盤表面材料の腐食防止としても利用される場合がある。 |
○ |
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△ |
| オゾン水 |
オゾン水濃度は条件設定することで、広範囲に制御することができるが、一般的には価格と効果の点で、約20ppmのオゾン水が普及しており、微粒子、有機物、金属の除去に効果があり、機能水のなかで、もっとも普及しているものである。
また、100ppm以上の高濃度オゾン水は、プロセス工程のレジスト剥離に利用でき、従来の溶剤による方法に代わり、環境にやさしい技術として注目をあびている。 |
○ |
○ |
○ |
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○ |
| 炭酸水 |
超純水の比抵抗値を下げる目的で炭酸ガスを溶解させており、炭酸ガスの注入量を制御することで、超純水の比抵抗値を0.1MΩ・cm以上で任意に制御できる。用途の多くは、後工程のダイシング装置用の洗浄水として用いられる。そして比抵抗値は0.1〜1.0MΩ・cmが多く利用され、ダイシング後の微粒子再付着防止の静電気除去として利用される。
また、最近は、前工程の洗浄工程でも導入され、微粒子再付着防止や、炭酸を溶解することによる弱酸性化の効果をつかって、表面洗浄にも用いられ始めている。 |
○ |
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○ |
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| 窒素水 |
常温で約17ppmの飽和濃度窒素水に、超音波やメガソニックを併用することで、窒素ガスによるキャビテーションを利用して微粒子除去に用いられる。
また、ウェット洗浄後の酸化防止などにも用いられる場合もある。 |
○ |
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| 酸素水 |
常温で約40ppmの飽和濃度酸素水で、オゾン水に比べて酸化力が小さいので、特殊な酸化用途として用いられる場合がある。 |
○ |
△ |
△ |
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これら機能水の中で、最も早く実用化されたものは、炭酸水です。ここで、注釈ですが、あくまでも、飲料水の炭酸水(ソーダ水)ではありません。一般的には、商品名として、超純水用比抵抗制御装置などと書かれている装置です。実用化されてすでに20年以上経過しており、最初に実用化された機能水といえます。また、近年では、オゾン水や水素水の基盤洗浄への適用研究が盛んに行われ、有効な成果を得られたことにより、約10年前から、実用化され、特に近年は、環境対策として、積極的に導入が進んできました。
次回は、第3回「炭酸水の用途事例と効果」について、掲載させていただきます。
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