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| 環境にやさしい機能水を用いた洗浄技術 第3回「炭酸水の用途事例と効果」
野村マイクロ・サイエンス(株) 自在丸隆行
炭酸水は、半導体分野において約30年前から使用されており表-1の通り用途も様々あります。
表-1 炭酸水の分類
最大の用途は、超純水の帯電防止です。半導体やFPD分野において、洗浄工程に用いられる超純水と呼ばれる“水”は、非常に電気を通し難く、抵抗率は、18MΩ・cmもあり、水道水の抵抗率1×10‐2MΩ・cmと比較すると非常に高いことがわかります。洗浄対象となるシリコンウェーハや、ガラス基盤も電気を通しにくいため、純水を用いてこれらを洗浄すると静電気が発生することがあります。静電気の発生は、電気配線のショートや、微粒子の再付着など、歩留まり低下を引き起こす原因となり、静電気対策は非常に重要となります。 そこで、純水に、導電性をもたせるために、炭酸ガスを利用します。炭酸ガスは酸素ガスや水素ガスといった気体と異なり、水中に溶解させると、以下のようにイオン化します。
イオン化するということは純水中の電気が通りやすくなる為、図-1のように炭酸ガス添加量を増やしイオン量を増やしていくと、抵抗率を下げることができます。
図-1 炭酸ガス濃度(mg/L)と抵抗率(MΩ・cm)
図-2は、実際の帯電量を測定した結果です。これは、水圧10MPaの高圧ノズルから噴射された純水1mLあたりの電荷(nC/mL) をエレクトロメータで測定した結果です。純水は、炭酸ガスを注入することで抵抗率を1〜10MΩ・cmにコントロールしました。測定箇所は、噴射部から100mmのところです。この結果より抵抗率を下げると、電荷も下がっていくことがわかります。
図-2 純水の抵抗率と1mℓあたりの電荷
実際の洗浄工程においては、帯電防止するために必要な炭酸水の抵抗率は、1MΩ・cm以下で使用される例が多いようです。 炭酸水のその他の用途として、アルミニウムの酸化防止に用いられます。アルミニウムは純水で溶解しますが、炭酸水はpH4〜5程度の弱酸なので、表面に酸化アルミニウム被膜を生成させ溶解を防止します。 炭酸水は、取り扱いが容易で、薬品を使わず、排水処理負荷が少ない、簡単で効果的な環境にやさしい機能水といえます。
次回の第4回は、「オゾン水の用途事例と効果1」について、掲載させていただきます。 |
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