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| 環境にやさしい機能水を用いた洗浄技術 第5回「オゾン水の用途事例と効果2」
野村マイクロ・サイエンス(株)
1.はじめに 前回は、半導体・液晶製造分野でもっとも多く使われている濃度5〜20mg/ℓのオゾン水の用途事例と効果について解説しました。今回は高濃度オゾン水について解説します。
2.用途事例 高濃度オゾン水の濃度定義は特になく、また分野によってもさまざまですが、半導体・液晶製造分野においては、オゾン濃度60mg/ℓ以上を高濃度オゾン水と呼んでいます。高濃度にすると反応がより激しくなるので、同分野では製造工程のレジスト剥離に利用され始めています。
@オゾンによるフォトレジストの分解反応機構 フォトレジストは、ポジ型・ネガ型の2つに分類されます。ここでは、配線幅1μmレベルの微細加工に利用されているノボラック樹脂を使用したポジ型フォトレジストのオゾンによる分解反応機構を図-1に示します。フォトレジストの主成分は、基材となるノボラック樹脂と感光剤のナフトキノンジアジドで、図-1はそれぞれの分解反応機構を示しています。
図-1 オゾンによるフォトレジストの分解反応機構
分解反応機構は、オゾンによって基材の2重結合を分解し、最終的に炭酸ガスと水になります。
A高濃度オゾン水によるレジスト剥離 レジストの塗布膜圧は、1μm〜2μmあります。レジスト剥離速度は、既存の技術で代表的なものとしてSPM溶液(硫酸、過酸化水素の混合液)がありますが、液温100℃において、0.1〜0.2μm/minです。この方式に比べて、高濃度オゾン水によるレジスト除去をおこなった過去の研究例によると、レジスト剥離速度は、0.04〜0.05μmでとどまっており、実用的でない報告があります。1) 近年において、50℃で50ppmの高濃度オゾン水でレジスト剥離速度を1μm/min近くまで実現できること2) や、80℃で110ppmの高温高濃度オゾン水装置がセミコン・ジャパン2007で発表されるなど、再び高温で高濃度のオゾン水によるレジスト剥離技術が盛んに行われ始めています。
3、おわりに 半導体・液晶製造工程でレジスト剥離する場合は、前工程との関係を考慮しないと、実プロセスでの実用化は困難な場合がおおく、例えば、半導体においては、前工程では、イオン注入されたものやドライエッチされたものでは、レジストの膜表面は、硬化したり、変質したりしているために、オゾンでは分解除去不可能な膜を形成しています。このような膜を除去しないと、オゾン水によるレジスト剥離技術は完成できないものと思われます。今後の課題としては、これらの膜を除去する技術も併用し、高濃度高温オゾン水を用いたレジスト剥離技術を完成できれば、環境にやさしいオゾン水を用いた技術として、定着すると確信します。
次回の第6回は、「水素水の用途事例と効果」について、掲載させていただきます。
参考文献等 1) 最新レジスト材料ハンドブック、株式会社 情報機構、p181 2) 特願2000−368752号 |
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