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環境にやさしい機能水を用いた洗浄技術

第7回「機能水の製造方法」

野村マイクロ・サイエンス(株)
技術部NPグループ 柳 基典

 

1.はじめに

 今まで、機能水の用途と効果について述べてきました。今回は、各種機能水の製造方法についてですが、機能水製造装置の構成は、使用するガスが異なるのみで、共通部分が多いため、まとめて述べてゆきます。

 

2.機能水の製造方法

 機能水を製造する装置のシステムフローを図-1に示します。機器構成は、大きくはガス溶解部と、ガス供給部の2つに分かれます。また、各種機能水ごとの機器構成を表-1に示します。

図-1 機能水製造装置のシステムフロー

 

機能水 ガス溶解部(表中○が適用方式) ガス供給部
(ガス発生部)
原料
膜式 エゼクター式 直接注入式
パージ 密閉
オゾン水 電気分解式 純水
放電式 酸素
水素水 電気分解式 純水
(圧力制御) 工場ガス
ボンベ
ガス等
窒素水
酸素水
炭酸水

表‐1 機能水の機器構成一覧表

 

@ガス溶解部

 ガス溶解部は、表-1に示すように、ほとんどのガスで膜式を用いています。ガス溶解に用いられる膜は、疎水性のポリプロピレン製微多孔膜中空糸が一般的で、疎水性のため水を通過させずにガスと接触できるのでガス溶解が可能となります。水素水、窒素水、酸素水、炭酸水の場合、膜表面のガス圧力を一定に保持することで、自然にガスが溶解するので、容易に機能水が製造できます。この表1の膜式で密閉と分類しているのは、供給したガスは純度がほぼ100%で、そのすべてが溶解に利用されて余分な排気が発生しないためで、溶解膜のガス部は密閉構造をとっているためです。

 オゾン水の場合、溶解膜については、一般的なものでは耐オゾン性がないことからテフロン製のものが使われます。また、酸素ガスの一部がオゾンガスなので、ガス分圧のバランスを一定に保持する必要があることから溶解部のガス部は密閉構造がとれず、不要な酸素をパージしながら溶解する方法をとっています。

 また、膜式が多く使われる別の理由としては、純水と溶解させるガスが膜で分離されていることから、ガス由来のパーティクルの混入がほとんどないこともあげられます。

 膜式以外では、オゾン水では、安価な方法として、エゼクター式を用いたり、炭酸水では、比抵抗値の制御性を上げるために、マスフローコントローラーを使って直接注入する方法などもあります。

 

Aガス供給部

 ガス供給部は、水素、窒素、酸素、炭酸などの安定なガスであれば、前述のとおり、工場の既存ガスラインやボンベ等で供給され、圧力制御すれば容易に機能水は実現できるので特殊なものは必要ありません。しかし、オゾン水の場合だけは、オゾンガスが自己分解性であり長時間安定に存在できないために、溶解部の直近でオゾンガスを発生する必要があります。この方法には、電気分解式と放電式の2種類があります。電気分解式の場合、原料に純水を用い、これを電気分解してオゾンを発生させ、このオゾンガスを供給します。加えて、電気分解式でオゾンガスを作る場合の副産物として、対極の電極から水素が発生するので、オゾン水と水素水の両方が必要な場合などは、電気分解式であれば1台でオゾン水と水素水の2つの機能水を製造可能です。放電式の場合は、原料に酸素ガスを用い、このガス中で放電することで酸素ガスの一部をオゾンガスに変化させオゾンガスを供給します。

 

3、おわりに

 機能水製造装置は、ガス溶解部とガス供給部の2つの部分で構成された、容易に実現できる構造をもった簡単な装置です。また、水素水、窒素水、酸素水、炭酸水などは、ガス利用率100%の高効率で、ガス以外の消耗品もほとんどない、大変環境にやさしい機能水装置です。

 

次回の第8回は、「これからの機能水と課題」について、掲載させていただきます。


 

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最終更新日 : 2008/01/09